アルバイトのレポート

 アルバイトに関わるレポート。ブラック企業か、ホワイト企業か、その分類にこだわるものが多い。しかし、それ自体は価値判断なので、あまり意味をもたない。事例の意味を掘り下げ、講義とのかかわりを考えられたもの、そこに価値がある。また、アルバイトの感想のようなものをかくものも多い。「これからも、頑張ろうと思う」というのは、本人にとっては必要かもしれないが、読者には不要。むしろ、事例を事細かに描写できる、材料集めのために汗をかいた形跡が見られる。そちらのほうが意義がある。事例の描写が丁寧で、かつ社会構造や学問的に議論されているところまで踏み込めるものは、残念ながら極めて少ない(でも、確実にある)。感想文をこえたレポートこそ、欲しい。アルバイトのシフト表や給与明細をそのまま張り付けているものも散見される。この資料の意味を知りたいが、本文に説明がない。材料をそのまま放り出された状態。きちんと材料を料理してほしい。事例を丁寧に洗い出すことと、素材そのままとは意味が違う。素材を吟味し価値あるものに読みかえ、解釈すること。過大解釈になるのを気をつけながら、料理していく。このようなレポートがよみたい。