2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

石井穣『古典派経済学における資本蓄積と貧困』青木書店、2012年。

古典派経済学における資本蓄積と貧困―リカードウ・バートン・マルクス作者: 石井穰出版社/メーカー: 青木書店発売日: 2012/04メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログを見る いまどき、古典派経済学の学説史的検討なんてはやらない。一昔前であ…

長田華子『990円のジーンズがつくられるのはなぜ?』合同出版、2016年。

バングラデシュの社会経済に関する記述が読ませる。農村部の女性が出稼ぎとして縫製工場で働くのも、そのプロセスで工業労働に馴れていくことも、中国と同じ。前半はバングラデシュの社会事情、中盤が多国籍アパレル企業分析、終盤がCSRやディーセントワーク…

深見浩一郎『<税金逃れ>の衝撃』講談社新書、2015年。

税理士によるグローバル税制分析。勤労所得を軽く、金融所得を重く、という提案がユニーク。ピケティも触れていた米国外国口座税務コンプライアンス法(FATCA)も出てくる。Googleの租税回避の手法も紹介され勉強になる。の衝撃 国家を蝕む脱法者たち (講談…

松尾匡『この経済政策が民主主義を救う』大月書店、2016年。

安部政権に対峙するリベラル左派こそ、金融緩和による財政出動を支持するべきだと説く本。全体として筆者の立場はケインジアンに近い印象を受ける。本書では、欧州の左派は緊縮財政に反対し、金融緩和も支持するのが一般的と説明されている。しかしグローバ…

中野円佳『「育休世代」のジレンマ』光文社新書、2014年。

筆者は元新聞記者。大学院に進学してワークライフバランス問題を研究する。出産前に仕事をしていた女性へのインタビューに基づき、いかなる要因が就業継続/断念を決定づけたのか、丹念に分析している。様々なケースが紹介されているので、自身がどのようなパ…