タクシー運転手〜約束は海を越えて〜

 韓国の映画、タクシー運転手を借りてきてみた。韓国の光州事件については、詳しく知らなかったけれど、興味を持った。映画としても面白かった。ソン・ガンホのような韓国を代表する俳優が出演している。そうした豪華キャストで、韓国の民主化運動をテーマにした映画がつくれる韓国は、なかなか底力あると思った。1987もみたい。

 

 

上西充子『呪いの言葉の解きかた』晶文社、2019年

 上西先生の呪いの言葉本を読んだ。ご自身の原発反対運動へのかかわりから、ここ最近の裁量労働制をめぐるデータ偽装の話まで書かれている。何かを封じ込めようとする動きに対して、勇気付ける言葉も紹介している。ジェンダーの問題も逃げ恥などとリンクして記述されていて、読みやすく、とても面白い。

 上西先生は、もともとJILPTの研究員から大学教員へと転じられた方。基本的に、手堅い調査・研究系の労働研究者のイメージがある。その方が、どうしてここまで政策的な問題にコミットするようになったのか。結果としてという側面はあるが、そこには研究者としてのプライドもあるように思えた。

 当事者としてこうした問題に関わるとしたらどう対応するのか。政権と対峙せざるを得ない状況で数多くのプレッシャーがあることだろう。ストレスも多くあると想像する。そうした場合に、友人関係や家族なども含めた何らかのサポートがないと厳しい。とはいえ、研究者としてのたちまわりを考えさせるとてもよい本だと思った。

 

呪いの言葉の解きかた

呪いの言葉の解きかた

 

 

仲村和代・藤田さつき『大量廃棄社会』光文社、2019年

 仲村和代・藤田さつき『大量廃棄社会』光文社、2019年。新聞記者の取材にもとづく。アパレル、コンビニ食品の大量廃棄などがテーマで、大量消費の実態に迫る。テーマは広いが具体例が豊富なところがよい。各テーマも短くトピック的にまとまっている。

 生地や裁断のコストをオープンにする。原価を明らかにする。10YCという取り組みが紹介されている。製造原価を消費者に提示するのは米国のエバーレーンと同じ。あるいは、縫製にかかるコストを見える化した学生起業のブランド。1枚3500円の「透明なパンツ」。決して素材が透明なのではないが、名前にインパクトがあり、ネット上でのアクセスが集中した。エシカル消費という理念だけではなく、かわいさも武器にするというのが趣旨とのこと。こうした事例や中古市場のメルカリの成長は、エシカル消費時代のトレンドともいえる。

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書)

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書)

 

齊藤孝浩『アパレル・サバイバル』日本経済新聞社、2019年。

 齊藤孝浩『アパレル・サバイバル』日本経済新聞社、2019年。アパレル関係の商機を、これまでのオンシーズンだけではなく、オフシーズンにも着目する。たとえば、オフシーズンには、クローゼットがいっぱいでクリニーングが必要。きれいにクリーニングできれば、中古市場等で処分も可能。こうしたファッションのオフシーズンからオンシーズンの循環に着目している。いま、業界ではプラゴミ廃止や、リサイクルといった、大量生産・大量廃棄を是正する流れができつつある。消費者のエシカルへの注目も高まっている。他方で、ネット市場の発達でこれまで以上に存在感を増している中古市場。こうした現実を考えると、本書で展開されているオフシーズンを市場化せよという議論は、合理的なのかもしれない。ちなみに、本書で一番驚いたのは、メルカリで一番利用されているブランドは、ユニクロであるという点である。

 

アパレル・サバイバル

アパレル・サバイバル

 

コンビニ加盟店ユニオン、北健一『コンビニオーナーになってはいけない』旬報社、2018年。

 コンビニ加盟店ユニオン、北健一『コンビニオーナーになってはいけない』旬報社、2018年。セブンイレブンオーナーを中心に本部との取引関係の実態を明かしている。フランチャイズ契約において、かつての酒屋さんからの転身などは減少し、脱サラ型が増えている。本部から土地などすべてを提供する方式では、品揃えなど指示が強い。本部から事実上の負債を負わされる。

 本部へのチャージ(ロイヤリティ)は、廃棄品を除いた利益から計上される。本部は売れても売れなくても、利益がはいる。これが、いわゆるコンビニ会計である。オーナーと本社の不均等とも呼べる契約が、巧妙なかたちで組み込まれている。これが本書の主張。24時間経営の見直しなど、現在進行形の問題が多い。フランチャイズ経営の問題点を考えるうえで、必読本といえる。

 

 

ガイアの夜明け(2019年3月19日 放送) "ヒット商品"の 新・方程式!

 ガイアの夜明けクラウドファンディングによる商品開発。ある商品開発のために資金が足りない。支援者を募り、期間までに目標金額に到達すれば、商品開発。支援者に商品を販売。これが通常のクラウドファンディング

 老舗素材メーカーの東洋紡では、はじめてクラウドファンディングに挑戦。消費者に直接販売する自社ブランド販売は、創業130年をこえる歴史の中ではじめて。プロジェクトチームを結成し、クラウドファンファンディングのプラットフォーム企業と協力して開発する。

 あるチームで着目したのはペット向けの高機能素材の服。東洋紡独自の暖かい素材を、ペット用品に転用。ターゲットユーザーにも直接ヒアリングをして、好感触をえる。最後の役員プレゼン。「高機能を求めないのでは?」というある役員の質問に対して、愛犬家の社長。「ペットが暖かいのか、寒いのか、そうしたことを考える」。

 資金不足の中小企業ではなく、資金があるはずの大企業がクラウドファンディングする。そこがユニーク。消費者のニーズを直接把握する。それを新たな市場開発に役立てる。商品とは便益の束であると経営学は教えるが、その潜在ニーズをどう具体化するのか。面白い内容だった。

ガイアの夜明け(2019年3月19日 放送) "ヒット商品"の 新・方程式!

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ガイアの夜明け(2019年4月2日 放送)~シリーズ「あなたにファッション革命」④~進撃のワークマン!

 ガイアの夜明け。ワークマンの特集。作業着メーカーの老舗が、カジュアル製品に参入。ワークマンプラスとして、出店を拡大。従来、市場が成熟していなかった低価格のアウトドア市場に目をつけたのがワークマン。フランスには大手のデカトロンという製造小売がある。この春日本に進出。同業他社がいなかったワークマンは、女性客の拡大を図るとともに、デカトロンとの差別化を意図する。

 機能性のあるジーンズ素材のパンツ等の商品開発に急ぐ。ワークマンの成功は、作業着メーカーという確固としたブランドがありながら、それ以外のカジュアル製品に目をつけたこと、低価格、高品質のアウトドアブランド市場を席巻したことにある。日本でアウトドア需要が増えているとみられるのも、背景にあるのかもしれない。

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