小熊英二(2022)『基礎からわかる論文の書き方』講談社
小熊英二(2022)『基礎からわかる論文の書き方』講談社。一気に読んだ。論文とは何か、ジャーナリストが書く文章とどう違うのか、などが多角的に論じられる。たとえば、どこかに行くときに、途中下車したところ、今いるところを示していくのが学術論文であるなど、いろいろなたとえを駆使しながら解説されている。
科学的態度みたいなことも解説してある。ある現象を最もよく説明できるスタンスが学説として主流となるのであって、それは自然科学も社会科学も同じ。普遍的な原理がありそうであっても、それはあくまで現時点では最も確からしい説明方法に過ぎないからだ、という説明もある意味科学を相対化している。
課題を設定し、すでに述べらていること、通説となっていることの限界を指摘し、それを乗り越える。いわれてみては当たり前のことを、受講者との対話形式にしながら説明している。読んでいると、科研費のような研究方法論の記述をする際にもアイディアになりそうな感じを受ける。類似の研究方法論、論文の書き方本と違うのは、単なる技術的な作法だけではないこと。学問的な姿勢や学問の意味など、普遍的な内容にも視野を広げている点が、読み物として面白い点かなと思う。
神野直彦『分かち合いの経済学』岩波新書、を10年ぶりくらいに手に取る
名優アンソニーホプキンスの演技が光る
高齢化と介護の話。映画全体が、部屋から一歩たりとも外に出ない。終始部屋の中の風景で描かれる。名優アンソニーホプキンスの演技が光る。悲しいか向き合う必要のある現実。最近の映画で子育てや家族ものみて、心奪われることは多々あったけれど、介護関係では珍しい。海外映画だったことが新鮮に感じ、またよく知る名優の演技が迫真に迫っていたからかもしれない。
知的好奇心や愛情はどこへやら!?
研究者の同僚がお茶すると、事務作業への苦しみばかりの話になる。書類づくりやブルシットジョブが増えている。知的好奇心や愛情はどこへやら!?このあたりの『ブルシット・ジョブ』におけるグレーバーの指摘は、ほかのどの箇所にもまして、「あるある!」と頷きながら読む。
傾聴といいつつ、自分が傾聴できていない
傾聴といいつつ、自分が傾聴できていない。聞きつつ、しゃべるにはどうしたらいいか。まずは、自分の意見行ってもいい?と確認してから発言するといい。1on1ミーティングの本には書いてある。それを実践するか。