福祉国家とジェンダー

憲法25条+9条の新福祉国家

憲法25条+9条の新福祉国家

ジェンダー論の「近代家父長制」概念の批判。未熟な福祉国家+強力な企業社会統合を媒介するものとしての家族賃金(労働)と性別役割分業(生活)。女性に、家事、育児、保育その他あらゆる社会保障の対象となるべき点をすべて肩代わりさせる未熟な福祉国家(第4章)。この時点で、二宮氏のジェンダー批判の核心部分は十分に整理されていない。ジェンダー論に対する著者の感想が興味深い。1)学生の職場体験、2)社会政策学会での大沢真理氏の発言(労働問題研究=男性労働者研究、女性を周辺、特殊化)、3)職場のフェミニストたちとの接触マルクス主義に否定的な態度)(第2部、第3章)。田端「ヨーロッパの『福祉国家』と資本主義」。後藤「市場社会の射程を生かす」。上野千鶴子氏によるマルクスの再生産規定(個人的消費を自然的にまかせることができる)批判に対する反批判。最近ポリティーク出版されなくなりましたね。
「新・日本的経営」のその後 (労務理論学会誌)

「新・日本的経営」のその後 (労務理論学会誌)

日本的経営の変化と女性労働