松下慶太(2021)『ワークスタイル・アフターコロナ』イースト・プレス

 松下慶太(2021)『ワークスタイル・アフターコロナ』イースト・プレス。コロナ禍でのテレワークの推進、出社の意義、コミュニケーションスタイルの変化などが縦横無尽に論じられている。時事問題と絡みながら、中心的な働き方の変化を論じ、新たな生活スタイルの方向性を模索している。

 筆者のスタンスは明確。コロナ問題が解決後も、リモートワークや会社以外の場所で仕事をすることの重要性は変わらない。対面重視や、出社重視の働き方に戻ることは難しい。シェアオフィスなど会社以外の場所で働けることを提供することで、アイディア交換など出社の意義も再定義される。

 大学講義も、個人が学習可能な内容と教室で対話すべき内容と、峻別すべき段階に来ている。人間同士の接触自体にインスピレーションや喜びがあることは変わらない。だからこそ、効率化を図りつつ、会うことの重要性を認識する。こうした筆者の立場に共感することが多い。タイミングのよい適切な本。