青野慶久(2015)『チームのことだけ、考えた。』ダイヤモンド社

  青野慶久(2015)『チームのことだけ、考えた。』ダイヤモンド社同志社大学の鈴木良始教授の論文で、ボトムアップ型組織の事例としてGoogleと並び、サイボウズ社が取り上げられていた。サイボウズ社は名前は知っていたが、どのような位置づけをされているのか、詳しく知りたいと思い読んだ。

  サイボウズ立ち上げから、スタートアップ企業にありそうな長時間労働、休暇なしの働き方。組織が拡大し、従業員が拡大し、長時間労働などの働き方に共鳴できない人々も増えていく。多様な価値観をとりまとめる中心軸がないなかで考えられた「世界一のソフトウェアグループを目指す」というミッション。

 組織形態が落ち着いてからも、コンセプトや議論の仕方、成功と失敗の定義など、青野社長独自の工夫や捉え直しの事例が紹介されている。これを読むと現状をよしとせず常に改善しようとする。現状に満足せず、改革を厭わない。そんな社長であっても決断や判断に迷うことがある。この苦悩がわかる。