研究をつなげる

 学会の会議それ自体は、通常の仕事と同じだけれど、そこで知り合った先生方と話をしたり、議論をするきっかけになることがある。名前は聞いたことあっても、読んだことのない研究者の論文などを、俄然読みたくなる。近い分野だとなおさら。

 知人であっても、よほど問題意識が近いか、その方の問題意識を理解していないと、論文を読むこと少ない。それが、ひょんなことからつながって直接論文読んだりする。あの人、こんなよい論文書いてたんだとなる。こんなことがわかったときは、密かに嬉しい。

 世の中には埋もれそうになる多数の研究があって、最新の研究が成り立つ。たとえ、目立たない研究でも、確実に足跡は残っている。前に踏み入れた場所と、そこでの息吹がみえる。ああ、あの人はここで、闘っていたのか。こんなところで、格闘しているんだ。それがわかると、自分が置かれた位置もはっきりとつかめる。