職務・職能給という概念

教えていただきました。ありがとうございます。教科書的な理解だと、職務給と職能給は反対の概念で、仕事に値段がつくのは職務給、ヒトに値段がつくのは職能給と教えられます。実際に、自分も学生にそう教えているわけですが、横断的な職務給が存在しない日本では、企業内での狭義の「職務」という考え方が出てきます。いわゆる「役割給」や「コンピテンス給」などが日本型の職務給の典型と呼べるでしょう。これらが、本来の意味での「職務給」に該当するのかは別途検討が必要だと思いますが、そうすると職務・職能給というまったく反対の意味を持つ言葉を「・」(中黒)でくくるという独自の考え方が出てくるわけです。

日本企業はこれまでヒトを評価することで賃金を支払い、従業員のモチベーションを管理してきたわけですから、コンサルタントがいうような欧米型の職務給を導入することは大きな矛盾があります。というか、ヒト基準で評価することしか日本企業は知らないのです。職務給といっても範囲レート給のように幅があるものも当然存在するのですが、私は日本の「役割給」型の賃金が職務給型に近づいているということについて懐疑的です。とはいえ、時間があれば読んでみたい本。時間を作れるかどうかが問題だ。