ガイアの夜明け「ニッポン転換のとき 第四弾 追跡!"絶望職場"の担い手たち」2017年8月1日放送

 ガイアの夜明け。外国人技能実習生の労働問題。岐阜県のアパレル産業で働く外国人技能実習生が未払い賃金を求めて組合に駆け込む。経営者は赤字経営で倒産したとして支払うつもりがない。会社側弁護士は、倒産に伴う不払い賃金立替制度を活用すべきと譲らない。中国人技能実習生の女性は、借金をして日本に来日している。納得がいかない。他方で、ベトナム人技能実習生を利用する建設関係の中小企業では、技能実習終了後も雇用関係を継続するため、海外事業所で募集をかけている。家賃や光熱費等を負担し、現地の平均的な賃金よりも引き上げる。
 海外子会社を持つ企業が日本で技能実習を行い、帰国後に同種の仕事に就く企業単独型が技能実習の立てまえ。しかし、海外子会社を持たない協同組合経由の団体監理型が大半を占める。受入れ企業の多くは零細企業で、工賃の問題が潜む。以前、NHKでアパレル技能実習生の問題を扱ったときにも感じたこと。低賃金で酷使することは許されない。法的に対応すべき問題である。他方で、地方の自営業者層や中小企業経営が取引関係が圧迫され、技能実習を利用せざるをえない状況に陥っている。社会保険料負担の問題や、取引先である大企業の工賃引き上げの問題にも焦点を当てる必要がある。地域経済の主軸としての小規模事業所の支援の問題を議論しなければ、産地の零細企業が技能実習生に依存せざるをえない状況が理解できない。それは産地の技能継承の観点からも本意ではないはず。
 この点は、コンビニエンストアの労働問題、たとえば、学生が過剰な労働を強いられるブラックバイト問題とも似ている。フランチャイズ加盟の自営業者層が、本店に管理されている。自営業者と労働者の雇用関係を出発点として、元請や大企業との取引関係是正に踏み込まなければ、解決できない問題なのではないか。

http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber4/preview_20170801.html