今野晴貴『ストライキ2.0』集英社新書、2020年

 今野晴貴ストライキ2.0』集英社新書、2020年。ブラック企業と戦う武器としてストライキに着目している。日本は労働争議件数の減少が著しいが、局地的にはストライキもしくはそれに準ずる労働者の戦い方が増えている。例えば、東京駅構内の自動販売機のストライキなどである。

 本書では、保育士の一斉退職、私立学校の教員ストライキ、佐野SAでのストライキなど近年の労働者の抵抗の事実を具体的に取り上げながらも、健全な労働社会を作るための条件を考察している。ケア労働やサービス労働など20世紀型の労働現場とは異なる労働者が主軸となっている点に注意を促している。

 

ストライキ2.0 ブラック企業と闘う武器 (集英社新書)