今野晴貴『ブラック企業2』文春新書。

今野晴貴氏による『ブラック企業』の2冊目の本。最初に前作のおさらいがされている。ユニクロや、ワタミを実名で出している(ただしそれは『朝日新聞』のインタビューなど)ほか、エステサロンたかの友梨の労働問題も紹介されている。事例は豊富だという点は前作と同じ。後半部分に雇用政策の課題として、労働時間規制の適用除外などについても言及がある。政府の労働時間問題にも踏み込んでいる点が前作との違いといえようか。ブラック問題については、すでに多くの事例の収集がなされており、個別の事案の検討も必要であるが、それにもまして全体構造を理論化していく段階にあるのではないかと思っている。