永吉希久子『移民と日本社会』中公新書、2020年

 永吉希久子『移民と日本社会』中公新書、2020年。中公新書であるが、本格的な外国人労働者研究に近い。外国人労働者受け入れに伴う労働市場への影響のみならず、犯罪や地域社会への統合といった課題についても、丁寧に先行研究の議論を紹介している。

 外国人技能実習生など各論での分析が主軸である外国人労働者問題を、総論的に扱っている。かつ、そのサーベイが入念である点が特徴。外国人労働者問題の本格的な入門書という内容で大変勉強になる。