篠原健一『アメリカの自動車産業』中公新書、2014年。

アメリカ自動車産業 (中公新書)

アメリカ自動車産業 (中公新書)

 米国の自動車産業の専門家による米国の労働組合の分析。ジョブコントロールユニオニズムの実践を歴史的、実証的に分析しています。ジョブ型あるいは職務給ががそれ自体には、最低生活保障部分をカバーするものではなく、賃金形態を妥当な水準に引き上げていく、主体の存在、具体的には労働組合が不可欠であることを明らかにしています。以下は、学内の学部生向け推薦図書に書いた短い文章です。

 「みなさんは、米国は成果主義、日本は年功主義。そんなイメージを抱いていませんか。この本では、米国の自動車産業を素材に、ジョブ・コントロール・ユニオニズムともいうべき、年功制(seniorityruleといいます)が存在してきたことを、歴史的、実証的に明らかにしています。類書はありません。必読です」