映画『マルクス・エンゲルス』

 映画の『マルクス・エンゲルス』をみた。当然のことだが、マルクスエンゲルスも普通の人間である。恋愛もするし、喧嘩もするし、飲みすぎて吐いたりする。頭はキレるが空気を読まないので、周りに煙たがれる。そんなマルクスの描き方にも好感がもてる(ホントにそんな性格だったのかは不明)。

 若きエンゲルスは、20代で『イギリスにおける労働者階級の状態』をかきあげる。彼は労働者ではない。経営者の息子で、むしろりっぱな資本家階級である。にもかかわらず、そうした労働者の状態に関心をもつ。だからこそ、記者として鋭い記事をかいたマルクスの才能に目をつけた。

 経済学を勉強しろ、と盟友に言われたマルクスが図書館で、アダム・スミスを読む。当時の運動リーダーだったプルードンと、理論的に対決する。この辺の人間関係や、格闘がみずみずしく描かれている。物語は、共産党宣言がかかれたところで終わる。むしろ、そのあと資本論を書き上げるまでも見たかった。

 マルクスエンゲルスは立派な身なりでりりしく見える。演じている俳優さんの存在も大きいかもしれない。でも人間的にだらしないところもあり、家族と相談しながら、社会変革と執筆活動に従事する。物語は淡々と続くが、結構わくわくする内容が多かった。

 

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