読書『若者はなぜ「就職」できなくなったのか?』

飛行機内で読了。いま手元に本がないので正確な記述になりませんが、新規学卒一括採用という日本的雇用慣行の入り口部分の崩壊と、そのもとで生じている「即戦力」や「キャリア支援」の危うさを指摘する良書。教育学マターだけれど、ゼミのテキストとしても利用可能。著者が言われていた、「頑張る人を否定はしない。でも頑張れない人に対してもそれを強いる社会は許容できない」(大意)との指摘はうなずける。一元的能力主義管理、ハイパーメリトクラシーともいえる現状は、「ふつう」に生きることを許容しない社会でもある(ブックリビューにもなっていないものなのでいつか正確に書き直します)。付録の書籍紹介も解説が丁寧で利用価値が高い。「読みやすさ」という点で合点のいく良い本を読ませていただきました。