- 作者: 内田樹,石川康宏
- 出版社/メーカー: かもがわ出版
- 発売日: 2010/06/18
- メディア: 単行本
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「なんだかよくわからんが、ここにはものすごい世界がありそうだ」(25頁)とは『共産党宣言』を読んだ石川(大学1年生のとき)の言葉。それに対して内田は、「マルクスを数頁読むだけで、頭の中を一陣の涼風が吹きぬけるような気がする」、「マルクスは僕の問題を解決してくれない。けれども、マルクスを読むとぼくは自分の問題を自分の手で解決しなければならないということがわかる」(38、39頁)とマルクスを読むことの爽快感を語る。読者をアカデミックハイにさせてくれるマルクスの奥深さ、これを語る内田の文章はとても魅力的である。
「高校生向け」(まえがき1頁)にしては幾分難しいが、研究者・知識人がなぜマルクスを好むのかを体感することができる。若い人が直接マルクスを読むことの意義を感じさせる。マルクスの『資本論』も含む以後の著作に関する続編をぜひ期待したい。