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ブックオフの105円コーナーで購入。

渋井真帆の日経新聞読みこなし隊

渋井真帆の日経新聞読みこなし隊

資本論 (まんがで読破)

資本論 (まんがで読破)

 このマンガを読んでも残念ながら資本論(の中心課題)は理解できないだろう。だいたい、利潤の源泉の説明からして問題がありありである。利潤があたかも賃金の切り下げから生じているかのように書かれているのは大きな誤解を生む。

マンガのせりふだけ抜き出すと次のとおり。

「我々は労働者から『労働力という商品』を買っていると…」「しかし、この商品はとても特殊だ。使い方によって価値が変動してしまう」「商品が命を保つための最低額があるとはいえはっきりした価値は決められていない」「そこで本来は金貨二枚分の商品を金貨一枚の契約で購入する」「金貨一枚で金貨二枚分働いてもらうわけだ」(84-85頁)。

言うまでもなく、剰余価値論の最大の特徴のひとつは、商品交換の原則にのっとって労働力の価値どおりの購買(販売)をしつつも、実際の労働過程で創造される新しい価値が労働力の価値部分を上回るために、その「あまり」が資本家によって取得されるというロジックの理解にある。ここら辺をきちんと書いてもらわないと資本論入門にはならないだろう。このような解説の仕方は『知識ゼロからのマルクス経済学』にも見られる。

蟹工船 (まんがで読破)

蟹工船 (まんがで読破)