紹介:『実践はじめての社会調査―テーマ選びから報告まで』

学部学生にフィールドワークを教える場合、あるいは実体験をしてもらう場合、事前にある程度「社会調査とは何か」を知っておいた方がいい。質的調査と量的調査の相違点という基本から始めて、実際に事前準備をする場合、いわゆる文献輪読とは異なるするべきことが多数ある。たとえば、問題意識や仮説はどう設定・洗練させるののか、調査先の選定はいかにして行うのか、アポイントメントや依頼状の書き方はどうやるのか。

こうしたことをケースバイケースでアドバイスすることが教員の役割だと言える。それでも、1から10まで教えるのは難しいという時に、専門書ではなく、入門書で、安価なテキストがほしい。これ1冊あれば、学生は安心して1人で事前準備と報告書執筆がすすめられる。そんな入門書。社会調査士の資格を持っているわけでもなく、たまたまここ数年現地調査に関わるようになり、あとづけ的に社会調査を学ばざるを得ない。そんな自分にとっても基礎の基礎を抑えるという点で、役立ちます。でも、本を読んでから現場を知るのではなく、現場で自分なりに格闘したあとで、本を読むと、不思議と頭のなかが整理されます。来年度はテキストにして、演習受講生全員に購入してもらってもいいかも。

実践はじめての社会調査―テーマ選びから報告まで

実践はじめての社会調査―テーマ選びから報告まで