読書

高学歴ワーキングプア  「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)

話題の本です。賛否両論がある本ですが、前半部分で書かれていることは、大学関係者であれば多くの人が感覚的に知っていることで、情報としては新たな知見はありません。大学院拡充政策に問題を求めることが先行し、個人へのインタビューも先走りの感は若干あります。とはいえ、専任非常勤講師やドクター・フリーターなど社会問題を広く知らしめる点では意義のある本であるといえるでしょう。

個人的には最後のほうで書かれている著者による「大学院の魅力」に関する記述のほうが共感を覚えました。記述としても迫力がこもっていて、大学院に在籍した現場を知る著者の意気込みが伝わってきます。また、著者が行っているとする「子供の寄り道」の研究も興味深いです。著者が所属すると思われる「こども環境学会」にも興味を覚えました。電車内での読書にどうぞ。

【追記】来年の状況が微妙。生活をどうやって成り立たせるか、それが問題だ。
【追記2】著者の紹介がされたasahi.comを発見。こちらをどうぞ。