米国関係のメモ*1

超・格差社会アメリカの真実

超・格差社会アメリカの真実

↑使えるかと思って斜め読み。しかし扱っているのはもっぱら金融資産の観点からの格差のみ。労働所得・勤労所得の格差の言及はぱらみするかぎりほとんどない。それだけアメリカは資産格差が大きいということか。でもふつうの勤労者がたくさんの資産をもっているとは考えられない。ちなみにこの本自体は読みこなすのはかなりの難儀である。もう少しわかりやすく叙述していただければありがたい。

↑NY TIMESによる95年前後の米国の大量リストラの様子の描写。人員削減とレイオフ。中間層への打撃。80年代のレイオフ(中西部の工場労働者が中心)と異なり、90年代初頭は沿岸州のオフィス労働者が中心。ということは日本より早い段階で企業がリストラを開始。その分非正規雇用流入情報通信産業、サービス産業との関係は?日本の場合、95年以降ホワイトカラーの成果主義+中高年リストラが促進→2000年以降若年層の派遣・請負などが加速という感じ。

↑ニューエコノミーの背景としての情報通信革命、とりわけ技術の情報化。それによって企業のダウンサイジングが可能。30P以降で具体的な人員削減の数字あり。日本的経営への注目とNUMMIの取り組みの紹介もあり。若干対象は広すぎる感じだが、2章のアウトソーシングの中身は利用できそう。

レイバー・デバイド(中流崩壊)―労働市場の二極分化がもたらす格差

レイバー・デバイド(中流崩壊)―労働市場の二極分化がもたらす格差

↑同時期に出版。1980年代から90年代にかけて米国の雇用関係が変貌。米国の賃金格差上昇と雇用の安定性(Job Security)の低下。中間層への大打撃。解雇されるホワイトカラーと増加する非正規雇用