NHKEテレ欲望の経済史:戦後日本経済編
欲望の経済史、戦後日本経済編。2回ほどみた。戦後、日本経済の発展の象徴的地域として筑豊地域がたびたび紹介される。1960年代の所得倍増政策の下で、雇用の流動化が政策目標として掲げられ、炭鉱地域の閉山と首都圏への移動が行われる。農村部の仕事も減り、一家離散のような状況も生まれたという。
この番組は野口悠紀雄氏が解説をつとめている。氏独自の「1940年代体制」の説明がたびたび出てくるが、バブル経済との対比で、「働くことで報酬が得られる、働かないと報酬がえられない」と述べている点は注目される。金融所得で莫大な資産価値を有する人と、働いても生活困難であるワーキングプアの時代を到来を示唆しているようだ。
いわゆる集団就職については、地方中核都市でも、周辺地域から集団就職を受け入れている。たとえば、中国地域の縫製産業では、鹿児島等から女性労働者を大量に受け入れている。集団就職というと東京への移動のみがクローズアップされるが、それ以外の地域における集団就職受け入れの論理については解明が進んでいないように思える。集団就職に関する2つの専門書を読んだ後だったので、番組を見てそのことを考えた。
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