日向野幹也(2018)『高校生からのリーダーシップ入門』ちくまプリマー新書

 日向野幹也(2018)『高校生からのリーダーシップ入門』ちくまプリマー新書。本書でのリーダーシップの定義は「何らかの成果を生み出すために、他者に影響を与えること」(20頁)。本書によれば、最近の特徴は権限によらないリーダーシップが増えていること。これは企業などの組織においても機能する。

 「権限のない人にリーダーシップを発揮してもらえるように支援し、最終的な責任は自ら引き受ける。これが権限によらないリーダーシップがきちんと機能する組織において、権限者が担うべき一つの役割」(35頁)。

 権限によらないリーダーシップの条件として、本書は1)目標設定・共有、2)率先垂範、3)相互支援をあげている。日常的な小組織でも、個々の役割に応じて貢献できる体制を作れることが望ましい。大学生も本書を通じて、ゼミ運営を考える。そうしたことに利用できるのではないかと考えた。