中村文則さん原作:映画『銃』

 中村文則さんの原作『銃』を映画でみた。ピストルを拾った大学生が、凶器を手にしたことで強気になる。気持ちがのっていく。ピストルを使ってみたいと考える。その心理の変化を描く映画。公園で猫が人為的に殺されたことをきっかけに、刑事が訪ねてくる。刑事の推測をもとに、犯人である、やがては、猫ではなく、人間をうちたくなる、と指摘される。人間をピストルでうつと、理性が狂う。そうした刑事の指摘を受けながら、悶々としつつ、着実に人間をうつ準備を進める。そんなお話。

 中村文則さんのべつの小説を読んだことがある。刑務所で働く青年の屈折した感じ。青年の将来不安や性への目覚め。そのあたりの描写がうまいと感じていた。今回の映画も、そのような青年の屈折した感覚をよく描いているように思う。

映画『銃』公式サイト

銃 (河出文庫)

銃 (河出文庫)