学説史的な本の紹介ばかりで恐縮ですが。
- 作者: 森嶋通夫
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/02/21
- メディア: 新書
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タイトルは近代経済学ですが、リカードやマルクスも扱っています。ふつう近代経済学というと、ジェボンズ・ワルラス以降の効用価値説・限界革命を出発点として、パレートやフリードマンなど以降の経済学をさすのですが、この本ではリカードやマルクスも含めています。リカードはワルラスによって「純粋経済学の創始者だ」といわれ、同時にスミスからマルクスに成熟する労働価値説の系譜もたどっています。だから、リカードが近代経済学者ならマルクスも近代経済学者なのだというのが森嶋先生の主張。
スミスもなんだか自由主義の信奉者みたいなえがかれ方を普通はされますが、学説史的には労働価値論の出発点であり、現代経済学の主流である効用価値説とは鋭く対立するのですよね。うーん。何を基準として彼らの学説を見るかによるのかな。こういう本を「嫁」とか父親に言っても、たぶん読まないと思う。
- 作者: 新井明,新井紀子,柳川範之,e‐教室
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2005/06/21
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