NHKスペシャル“ヒロシマの声”がきこえますか ~生まれ変わった原爆資料館

 NHKスペシャルヒロシマ原爆博物館。遺品を中心に個人に焦点をあてる内容にリニューアルした。遺品を並べる。そのおもちゃにはどんな家族の思いがあったのか。丁寧に説明をする。元館長の話によれば、若者が関心をよせるのは、同世代の人たちがどのような思いをもっていたのか、わかったときだという。今回のリニューアルは、思い切って個人や家族にフォーカスする展示にしたという。

 戦争後に子供を抱えた母親の写真がある。カメラマンだけは表示されているが、その赤ちゃんがその後どうなったのかわわからない。NHKでは取材を重ね、本人にあう。ご本人はその写真が自分であることも、展示されていることも知らなかったという。

 今回写真の当事者が初めて原爆博物館訪れる。知らなかった母の思いを、カメラマンの聞き取りから知って、涙が溢れる。今回のNHKスペシャルの象徴的なシーンだった。

 被爆者もなくなった方も、すべて家族がいて、恋人がいる。大きな物語ではなく個人に焦点をあてる。語り部がいつかはいなくなることを、考えると、あらためて、戦争体験を引き継ぐことが、大事なことだと認識させられる。よい番組だった。

 

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