読書：『「親活」の非ススメ』

「親活」の非ススメ “親というキャリア"の危うさ (徳間ポケット)

ずいぶん前に買って積読状態になっていたのだが、他の仕事の合間に読んでいる。これは現役の学生にもおすすめ。親の子離れを説いた本ではあるが、実態としては若年層の就労環境の変化をわかりやすく説明している。

『就業構造基本調査』07年によれば、30歳男性のうち、年収が700-999万円の男性は、全体の5％。500-699万円でも15％超。専業主婦になるための相手を探すことは大変。もちろん、子育て上の理由から働きたくても働けない専業主婦がいることも指摘されている。

本書とはずれるけど、非正規で働く20歳代の男性の既婚率は4.1%。30歳代でも5.6％という数字もある（内閣府『平成22年結婚・家族形成に関する調査』、第2章、2調査結果の（2）交際についての⑦）。そのことからしても、団塊の世代がいままでの結婚像や理想像を語ることは、子供世代に大きな負担になると思われる。

※『現代思想』の蓑輪明子論文とも関係している。

現代思想 2013年9月号 特集=婚活のリアル