熊谷徹『日本とドイツふたつの「戦後」』集英社新書、2015年。

 熊谷徹『日本とドイツふたつの「戦後」』集英社新書、2015年。ドイツ在住のジャーナリストによる本。歴史認識、経済政策、エネルギー政策などのトピックごとに日本とドイツの相違を比較する。シュレーダー政権のハルツ改革の評価が甘く、やや表面的な分析に終始しているが、歴史認識の違いの記述については学ぶところが多かった(評者が歴史分野野事情をよく知らないからだとの噂もある)。また3.11の後のドイツにおいて日本の福島原発事故がどのように認識されたのか、丁寧に整理されている。ただし、ハルツ改革の評価が甘い点という点を見ても、やや表面的にざっくりまとめたものなのかもしれない(経済政策以外の分野についてはそうしたコメントをするだけの知識がない)。あくまでこの手のテーマを読む上での入り口本というべきかもしれない。

日本とドイツ ふたつの「戦後」 (集英社新書)

日本とドイツ ふたつの「戦後」 (集英社新書)