SEALDs関係書籍の2冊目。河出書房の内容は、基本的に対談形式で進んだが、本書はメンバーのスピーチが中心。卒業アルバム、写真集といった雰囲気も漂う。スピーチを読んであらためて思うのは、彼ら、彼女らが発する言葉がとても生き生きとしているという点である。自分の生活の視点から、政治の問題を語る。「正しいと思いますよ、私が総理大臣なんですから」という言葉に違和感を持つ。それが日常生活を壊してしまう、やばいのではないか、そういった生活保守的な考え方がある。だから、実感がこもり、説得力があり、聴衆を引き付ける。この点は、学者とは対照的である。学者のスピーチは、よくも悪くも「固い」ことが多い。路上からの運動、それぞれ個人の考え、これらがつなぎ合わさったものが、「民主主義ってなんだ？」のコールなんだろう。
高橋源一郎氏が振り返る運動論も興味が引かれる。河出書房の書籍と
あわせて読みたい。必読本である。
