映像

2限目から講義。約束通り『三池』をみる。アンケート解答は80名前後(未集計)。映像は1.戦前期の国営→私営の下で三池で強制労働などが行われていたこと、2.経済復興と傾斜生産方式の下で石炭産業に焦点があてられるも、次第に斜陽産業となっていくこと、そのもとで人員整理をきっかけに労働争議(三池争議)が起こったこと、3.1960年をすぎると大規模な爆発事故が起こり、それがCO公害問題へとつながることをインタビューを通じて明らかにしている。その後、4.現在の大牟田市の現状の映像もあるのだが、90分のなかでは時間切れ。本務校では1を飛ばして、2〜4を見るかな。教員の解説はほとんどしなかったため、どんな感想が来るか不安であったが、「意外と当事者が若くて最近の問題だと思った」などの意見もあり。来週は学園祭のため休講。

*関連して…

三池争議―戦後労働運動の分水嶺 (MINERVA日本史ライブラリー)

三池争議―戦後労働運動の分水嶺 (MINERVA日本史ライブラリー)

第1部の課題設定である「職場闘争の前提」が面白い。「第一、三池の職場闘争の焦点は、機械化による採炭労働の熟練解体、およびそれにもとづく労働強度をめぐる労使対立にあった。したがって、この労使対立の内実を知るために、熟練の解体については採炭労働の作業分析を、また労働強度問題については能率刺激の形態、すなわち賃金形態の分析をおこなう。これによって職場闘争の前提を明らかにすることができる。第二、三池の職場闘争は、職制機構を麻痺させ、かつ労働者秩序をもって自ら労働強度を規制する領域にまで、その実践を到達させていた。そこでこの実践の内実を知るために、労働強度を規制した輪番制と『生産コントロールを解明する」(11頁)。古典的にはテイラーシステムの作業・業績管理、マルクス出来高賃金、ブレイヴァマンの熟練解体論に通ずる枠組みである。三池争議をマクロな視点でのみ論ずると「ああいう熱い時代もあった」という感傷的な感想文で終わってしまう。そうしていないところがこの本のすごいところ。