暗記すること

昨日・今日の授業では受講者からご批評もいただいた。中間テストの採点基準をめぐってである。曰く、「概念がきちんと区別されるのであれば、それを説明してください」とのこと。また、黒板では2つの概念が混同されて説明されていたとの「苦情」(?)もいただいた。まだ、テスト結果自体は返却していないが(100人の受講生にどうやって効率よく返却するかも考えどころだけれど)、どうやら採点基準を訂正をする必要がありそうだ。

こちらは授業に参加しやすいように、プリントの穴埋め方式を用意している。教科書の内容をレジュメ形式にしたもので、「わかりやしすい」という感想がある一方で、単なる「暗記」に終わっていないかとても危惧がある。別に暗記したり単語を覚えたりすること自体に意味があるとは思えない。暗記自体はすぐ忘れるし、考え方やロジックを把握しなければ、学問なんてすぐ記憶の彼方にふっとぶ。

でもいまどきの学生は(自分の時もそうかもしれないが)、授業の中で完結する「わかりやすさ」を求める。それが、自分の力になるかどうかはさておき、それが需要である。そうすると、授業の試験は、某センター入試のように、わかりやすく、「ときやすい」、そして「答え」のある問題をつくらなければなるまい。これでは、大学に入ってもずーっと暗記の世界である。社会に出たら解答のないケースばかりにぶつかると思うけれど、これが現実。いやはや、大学の大人数の講義の意義を見出し、目的を見つけることは難しい。