ジェネラル・ルージュの凱旋

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

東京マラソンが開催される中、有楽町で映画を見てきました。前作のチームバチスタも映画で見たけれど、今回は前作とは異なる印象。以下、ネタバレも含めて感想書きます。


前作はミステリー色が強く、犯人探しの魅力がある。今回は堺雅人を主人公として前半はとてもスローテンポ。もちろん、緊急病棟の忙しさ、人員がいない中での患者の手当てなど現代の病院経営をめぐる状況は明らかにされている。竹内結子阿部寛のコンビも健在である。だが、癒着事件をめぐって倫理委員会が開催され、真相が判明する後半部分は一気にハイテンポ。ショッピングモールの火災事件をきっかけに前半とは異なる方向性に進んでいく。著者は意識しているのかは分からないが、映画のひとつのテーマは、病院経営の経済合理主義に対する批判である。その役割を堺雅人演じる「ジェネラル・ルージュ」が果たしている。竹内と阿部のコンビのコミカルさは変わっていないし、前作から引き続いて登場する人物もいる。チュッパチャプスやリハビリの先生などいくつかの伏線も張られていて、よく錬られた作品である。登場人物のキャラがいいだけに、今後も続編が出ることを期待したい。それにしても、今回は堺雅人のひとりがち。悪人にも善人にも見えるその雰囲気は今回の映画にマッチしている。篤姫の「殿」役からさらにいい役者になっている。

ところで、チームバチスタとジェネラルルージュの間には一作小説が書かれている。映画化される前に読んでみたいところである。

ナイチンゲールの沈黙

ナイチンゲールの沈黙

[追記]
こちらのブログが前作も含めてよく整理されています。