知的好奇心や愛情はどこへやら!?

研究者の同僚がお茶すると、事務作業への苦しみばかりの話になる。書類づくりやブルシットジョブが増えている。知的好奇心や愛情はどこへやら!?このあたりの『ブルシット・ジョブ』におけるグレーバーの指摘は、ほかのどの箇所にもまして、「あるある!」と頷きながら読む。

『ある男』を読み終えた

図書館で借りてきた『ある男』を読み終えた。受賞作一覧のような場所に置いてあったから借りたのだけれど、なかなか良かった。文章の書き方がなんというかなめらかで、豊富で、自分好みの文章である。ストーリーは複雑だが良い気分で読めた。入り組んでいるとはいえ、自分とは何者か。家族とは何か。そのあたりを在日コリアンである主人公の弁護士を通じて描き出す小説として読んだ。平野啓一郎氏の小説ははじめて読んだが、結構気に入ったので、別の小説も読んでみたい。

 

 

コヤブソニックはじめた理由

吉本新喜劇の小籔が、コヤブソニックはじめた理由。新喜劇では喋ることが決まっていて、このままでは芸人としての自律性がおかしくなる。自律性保つため、新喜劇とは全然逆方向のことをやりたかったからだと聞いた。なんか同じ気分(*_*)

なぜ君は総理大臣になれないのか

 「なぜ君は総理大臣になれないのか」。立憲民主党議員の10年間に及ぶドキュメント。30歳前後で初当選したときの映像から、民主党政権の挫折を経て、2017年の小池新党結成による離合集散に巻き込まれる様子が紹介されている。一番のユニークさは、10年以上フォローしている点だろう。最初はお子さんも小さい。幼子を義母に預け、選挙支援をする妻の姿が出てくる。小池新党=希望の党への移行のころには、子供たちは20歳前後になっている。選挙の応援もしている。そのなかで、「安保法制に反対していたじゃろが!」と市民から、罵倒も受ける。この辺りはシビアである。

 選挙のドキュメント映画はいくつか見たことがある。日本のどぶ板選挙について、想田監督の『選挙』がある。今回の映画もそれに近いが、いずれも日本の選挙における家族総出の宣伝活動方法が気になった。逆に、女性候補者の場合は、どのように家族が支援するのか。やっぱり夫がチラシづめをしたり、応援演説の際の手伝いをしたりするのだろうか。

 主人公の政治家にはとても親近感を持った。政策通であるが、政党の中で上位に位置しない。ただし、裁量労働制のデータ偽装問題でも鋭い質疑をしている。こうした政治家の方がきちんと評価されるようになれば、日本の政治はよくなるのではないかと思う。選挙や政治の入門としてみても面白い。

 

 

ノマドランド

ノマドランド。アカデミー賞受賞作品、ようやく見た。米国全土をクルマ一つで移動するノマドがテーマ。Amazonで働いたり、飲食店で働いたり、移動先で仕事をする。基本的には拠点を持たず、バンの中で生活する。ノマドたちが集まる集会のようなものもある。

 

 

白鵬引退のNHKスペシャル

白鵬引退のNHKスペシャル。孤独な横綱の趣旨はよかった。膝の水を注射で抜く白鵬をみて、お嬢さんが「私も将来白鵬になったら、こうなるのかな」といったのも、なんだか笑えて、ホロリときた。結局横綱の品格という曖昧な言葉を、勝つことが品格と理解した白鵬は、ある意味正しい。もしかち上げや突っ張りが問題ならば、道徳的に攻めるのではなく、反則にしないと筋が通らないんじゃないな。白鵬が感じてきた孤独は、横綱だからではなく、その部分以外の外国出身力士だから、の要素が大きい。結局のところ、大相撲における外国人差別の問題に行き着くのでは?と感じた(*_*)。