プロフェッショナル 仕事の流儀「外国人労働者に何が?支援の第一人者に密着」

 鳥井一平さんのプロフェッショナル、すごかった。過去には中小企業経営者に火をつけられ、大火傷をおったこともある。なぜ恨まないのか。正義と悪の2項対立では現場は動かない。労働法に無自覚な経営者のおっちゃんは、われわれそのものだ、と。対個人から、制度そのものへ、視点を広げるよい番組。

 突撃訪問で、相手にいうべきことを言う。労災隠しをする経営者に、「これ、あなたの会社の死活問題ですよ」、と厳しく諭す。迫力ある風貌から想像しにくいが、根本には人が好き。人は変われるし、変わるという信念がある。何にプライドかけるのか、本物のプロだと思った。

 

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浅川晃広『知っておきたい入管法』平凡社、2019年

 浅川晃広『知っておきたい入管法平凡社、2019年。入国管理、難民認定日本国籍などの法律的解釈、説明が中心。筆者が難民認定の実務に関わったこともあり、実務的にはそのように解釈するのか、と読むことができる。入国管理の法律に特化した本はあまりないので、その点では類書と違いあり。

 

知っておきたい入管法: 増える外国人と共生できるか (平凡社新書)

知っておきたい入管法: 増える外国人と共生できるか (平凡社新書)

 

 

日本VSロシア

 初戦。独特の緊張感。前半はゲームコントロールができず、ロシアペースの試合続く。後半自力で押し勝つ。ラインアウトは安定。松島の切れは抜群。初戦は1点差でもよいから勝つことが大事。かつての日本代表からは比べ物にならないくらい強くなった(安定感がある)と思います。次回以降も楽しみ。

ETV特集「三鷹事件 70年後の問い~死刑囚・竹内景助と裁判~」ほか

 三鷹事件Eテレみた。無期懲役になった当事者のご家族出てくる。証拠は自白と、当事者を見たという証言のみ。ご子孫が再審申請するも、退けられる。国鉄労働者の労働運動の強さと、占領下で反共の壁にしたい政府・GHQとの関係。板挟みにあった家族がいたという感じ。

 あとNHKスペシャル226事件も。海軍と陸軍の主導権柄争いがあって、海軍側は批判勢力(事件の首謀者)がいることをしっかりつかんでいた。今回のNスぺでは、その資料をもとに、当時の昭和天皇の判断などを克明に迫る。結果として、統帥権をもつ昭和天皇の権限が強化され、戦争に突き進む。

 すごい時代があったものだと歴史の視点から見ることもできるけれど、なんとなく今の日本もこういう空気感はある。メディアや政府が自分たちの足元を見れていない、排除する。なんとも言えない感じである。

 でもNHKとかEテレの現場の人は、こうした映像を着実に、地味に世に提供していってもらいたいと思う。三鷹事件とか、名前は聞いたことがあっても、内容は詳しく知らない。そういった人は多いと思う。

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吉田裕『日本軍兵士』中公新書、2017年

 吉田裕『日本軍兵士』中公新書、2017年。ようやく読んだ。戦争中の具体像を兵士の健康状態や資料などから明らかにしている。虫歯がひどくて治せなかった。無理な戦いを精神論で乗り切ろうとしていた。これらのことが、立体的にわかる。

 祖父が軍隊関係者だったこと、戦争に興味のある少年時代だったが、大学入ってこれまで知ってきた戦争観とは違った中身を知りたかったこと、これらが、あとがきに書かれている。精神論とか、現状を見ない場合、その苦しみは現場に押しつけられる。そのことがわかる。悲惨な中身だが、豊富な具体例。

 吉田先生といえば、かつては、靖国神社のフィールドワークを熱心にやられていた。神社内の遊就館をまわりながら、神社が依拠する戦争観を解説する。いろいろと緊張感ある空間。今でもやられているのだろうか。

 

日本軍兵士―アジア・太平洋戦争の現実 (中公新書)