NHKスペシャル“ヒロシマの声”がきこえますか ~生まれ変わった原爆資料館

 NHKスペシャルヒロシマ原爆博物館。遺品を中心に個人に焦点をあてる内容にリニューアルした。遺品を並べる。そのおもちゃにはどんな家族の思いがあったのか。丁寧に説明をする。元館長の話によれば、若者が関心をよせるのは、同世代の人たちがどのような思いをもっていたのか、わかったときだという。今回のリニューアルは、思い切って個人や家族にフォーカスする展示にしたという。

 戦争後に子供を抱えた母親の写真がある。カメラマンだけは表示されているが、その赤ちゃんがその後どうなったのかわわからない。NHKでは取材を重ね、本人にあう。ご本人はその写真が自分であることも、展示されていることも知らなかったという。

 今回写真の当事者が初めて原爆博物館訪れる。知らなかった母の思いを、カメラマンの聞き取りから知って、涙が溢れる。今回のNHKスペシャルの象徴的なシーンだった。

 被爆者もなくなった方も、すべて家族がいて、恋人がいる。大きな物語ではなく個人に焦点をあてる。語り部がいつかはいなくなることを、考えると、あらためて、戦争体験を引き継ぐことが、大事なことだと認識させられる。よい番組だった。

 

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色々な業務がありすぎる

 試験監督終えて、近所の蕎麦屋にいったら同期の同僚とばったり。試験、子どもの保育園、研究、その他のことをいっせいに話をして、なんだかすっきりした。しかし、夏休みに入るというのに色々な業務がありすぎる。どうしたものか。

 学会誌編集業務、査読レポート回収、そして、校正。9月の出前講義の準備、ゼミ合宿準備。そうこうしたらもう9月。ベトナム調査がある。学会誌原稿を集約したら、もう授業。後期が始まる。研究時間はどこに!?体調を崩さないように進める。それが先決かもしれない。

すごいコミュニケーション能力の高さ

 子どもたちの夏休みその他と、大人の休みが調整できるのが、今しかなく、旅行にいく。しかしながら、試験やらなんやらも重なって、超絶忙しい時期。案の定、大人1名体調崩した。去年は、自分が体調崩した。どうしたものか。

 そんななか、子どもと一緒に花火大会に参加。同じ小学校のお母さん方が、場所とりしたり、連絡とりあったりする。分担しているけれど、当日の参加状況で、何人とるかとか、その場で瞬時に判断する。経緯もよくわかっていないピンチヒッターの父娘コンビにも配慮していただいて、ホントにありがたい。すごいコミュニケーション能力の高さ。心底尊敬します。

映画『主戦場』ようやく見ることができた

 映画『主戦場』、ようやく見ることができた。すごい迫力だった。終わったあと、ぐったりする感じ。細かな感想はすぐにはいえないけれど、右派の議論の軽さが気になった。あと結局のところ、強い差別意識がある。

 それにしても、歴史学者の吉見先生が、すごい。淡々とかつ、冷静に話すけれど、その分、凄みがある。とても印象に残った。監督さんもすごい。これだけ名の知れた右派の論者にインタビューし、対比させる形で、リベラル派の議論を紹介する。上智大学の中野晃一先生も英語で応答している。

 過大な数字を言わない、それは右派のツッコミを与える。そのあたりの中身もとても印象に残った。学問研究としても、みることできる。ある右派の論者が、「参照すべき歴史学者は?」と問われて、「自分」とこたえる。また、「それ以外に学者は知らない」とも回答する。それは「本を読まないから」というシーンがある。謙虚に過去に学ぶ、不勉強を恥としない。ナショナリストのいびつな姿が写し出され、印象的だった。

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レポート作成方法や論文作成の方法を講義せよ

 レポート作成方法や論文作成の方法を講義せよ、とのお達し(お願い)があった。打ち出の小槌のように魔法の方法があるわけではない。はっきりいって、新聞を読め、新書を読め、そこからだとしかいえない。わたしに、どうしろと!?偉い先生の講話みたいの一番意味ないし、やりたくもない。

 出前講義は、高校に訪問して高校の教室の中で講義をする。大学で講義するのとはちょっと雰囲気違う。いわばアウェイ。高校生が何を学んできたのかも分からない。高校生はいたってまじめに授業を聞いている。でも、何を吸収したのか、こちら側としてはわからず、なんだかいつも徒労感がある。どうしたらうまくいくのだろうか。