仕事納め

仕事納めに研究室を整理した。昼から午後にかけて3時間ほどかけて、書籍の整理や不要書類をシュレッダーにかけて、掃除をした。最後に、ムーアの『キャピタリズム』を図書館から借りてみる。パンチの利いた映画である。直接的には米国金融危機後のAIGなど金融機関救済の対応を対象にしている。サブプライムローンで返済不能になった市民は住宅を取り上げられるのに、大手金融機関は国民の税金を使って救済される。日本でも同様のことが起きている。資本主義とは何かを問うている。名目は自己責任が貫徹するが、資本の救済のためには自己責任が貫かれない、形容矛盾が鋭く指摘される。オバマ政権は新自由主義時代の終わりの到来を感じさせたが、米国の医療保険の皆保険化は実現していない。日本でも格差社会の批判とともに現れた民主党は、当初国民が支持した格差の是正と企業社会に代わる新たな福祉国家という政策の意味を見失っている。新自由主義時代は終わりを迎えつつあるが、それを強固なものにするのは国民の要求である。