授業

非常勤から数えてかれこれ5年間経済学を教えているが、理論を学生に理解させるのは本当に難しい。高校時代に教わる市場のメカニズム、経済思想と大学の学問との間に、内容的にも大きな隔たりがあるからだ。西洋経済史や日本経済史は世界史と重なるところがあるだけに、具体的なイメージは理解しやすいようだ。しかし、理論の場合、経済学特有の概念(近代経済学マルクス経済学いずれも)が学生にとって、馴染みがなく、かつ現実の経済をほとんどしらないために、教員と学生との間で理解の歩み寄りが難しい。

このところ授業では最初に前回の復習をレジュメにしたものを穴埋め式で作業してもらっている。これをすると学生も内容を思い出すとともに、教員も鮮明に中身を思い出す。準備をする教員側は大変であるが、経済学のように授業の中身がトピック式ではなく「積み重ね式」の場合、特に学習効果があるようだ。