権利としての失業

行動する失業者―ある集団行動の社会学

行動する失業者―ある集団行動の社会学

失業の社会学―フランスにおける失業との闘い

失業の社会学―フランスにおける失業との闘い

年明け一発目の研究会。広島大学のT先生のお話。「権利としての失業」という考え方は、とてつもなく新鮮。フランスでは5部リーグのサッカー選手はほとんど失業者(失業保険給付をもらっている)らしい(笑)。賃金給付が生活費に占める割合が高い日本では考えられないことですが、福祉国家の考え方がいかに浸透しているか(良いか悪いかは別として)を示す例だと思います。社会保障分野はほとんど素人に近いけれども、これからは重要な課題となってくるので耳学問で勉強していきたい。

ビヴァリッジの完全雇用政策についても言及。完全雇用政策との対比で摩擦的失業(一時的失業)という現代経済学の考え方が生まれる。日本では求職者=失業者は即生活できない状態を事実上意味する。雇用状態から失業状態へと移行すると自殺やサラ金など悪いほうへいってしまう。しかし、フランスではすこし文脈が違う、らしい。失業概念も完全雇用政策との対比で生まれてきたという指摘は、うなずけるものがあります。

産業組織と失業問題 (1930年)

産業組織と失業問題 (1930年)

久しぶりに書くと、書きなれないねw