主体的に研究を広げていく学生の姿

 本来の教員の専門領域をこえて、主体的に研究を広げていく学生の姿をみると、ホントに嬉しい。ようやく自立したな、と感じる。最終学年になって、伸びているな、自分らしい問題設定をみつけられているな、という人がいると、もう少し勉強したら、と大学院進学を薦めたくなる(まだそうした事例はないけど)。

プラシチック製造の中小企業を訪問

 午前中、プラシチック製造をてがけている中小企業でお話をきくことができた。かつては家電、パソコンを主軸としてきたが、現在は自動車まわりにシフトしている。2000年代初頭からはベトナム、上海に事業を展開している。

 プリンターやパチンコ製品などプラシチック製造が手掛ける範囲は広い。多様なニーズに答える製品づくりに軸を置いている。国内は研究施策に力をいれるマザー工場。その成果がみとめられ、自動車メーカーとの取引関係が、ティア2からティア1へ変化する。数千に及ぶ金型の保存が競争力の源泉である。工場見学を通じてその姿がとても印象的でした。今後海外調査も控える。また、楽しみができた。

 午後は講義2コマで、夜に2年生向けのゼミガイダンスもあって、この日はさすがにすこぶる疲れた。

ゼッタイに挽回

 いろいろと整理をしていたら、昨年の夏休みに着手しようとしていた、本来の研究課題に向きあうことがかなわず、時が止まっていることに気がついた。正確にいえば、3年前から継続している2つの課題が事実上棚上げになっている。

 2018年の1月に書いた原稿は、数年前から進行していた調査の一部。けれども、中核となる材料については、もう少し丁寧に整理し、しかるべく媒体で発表しようと考えて、掘り下げていない。その部分の着手がひとつ。もうひとつは、数年前の調査内容の整理。紛れのない人事制度づくりで、労働者を確保しようとする中小企業の事例で、内容的にはとても面白い。数回研究会で報告して、形になっているが、事例報告なので、発表する媒体が確保できていない。

 これら2つの作業を完了できないと、どうにも前に進めない。しかしながら、複数の頼まれ仕事や学内プロジェクト、学会業務に時間をさかざるをえず、前に進めずにいる。今年は、ゼッタイに挽回する。

映画『マルクス・エンゲルス』

 映画の『マルクス・エンゲルス』をみた。当然のことだが、マルクスエンゲルスも普通の人間である。恋愛もするし、喧嘩もするし、飲みすぎて吐いたりする。頭はキレるが空気を読まないので、周りに煙たがれる。そんなマルクスの描き方にも好感がもてる(ホントにそんな性格だったのかは不明)。

 若きエンゲルスは、20代で『イギリスにおける労働者階級の状態』をかきあげる。彼は労働者ではない。経営者の息子で、むしろりっぱな資本家階級である。にもかかわらず、そうした労働者の状態に関心をもつ。だからこそ、記者として鋭い記事をかいたマルクスの才能に目をつけた。

 経済学を勉強しろ、と盟友に言われたマルクスが図書館で、アダム・スミスを読む。当時の運動リーダーだったプルードンと、理論的に対決する。この辺の人間関係や、格闘がみずみずしく描かれている。物語は、共産党宣言がかかれたところで終わる。むしろ、そのあと資本論を書き上げるまでも見たかった。

 マルクスエンゲルスは立派な身なりでりりしく見える。演じている俳優さんの存在も大きいかもしれない。でも人間的にだらしないところもあり、家族と相談しながら、社会変革と執筆活動に従事する。物語は淡々と続くが、結構わくわくする内容が多かった。

 

DVD+ブック マルクス・エンゲルス (<DVD>)

DVD+ブック マルクス・エンゲルス ()

 

 

退職記念の紀要

 ある先生の退職記念の紀要。図書館でみたら、ベテランから若手までの豪華メンバー10人くらいが寄稿してた。当該分野の最先端を行く人ばかり。学会の特集、あるいはそれ以上の執筆者のラインナップをみて、あらためて、その先生のお人柄を再認識した。すごいです。バックナンバーと比較して、分厚さもハンパない。3倍くらいある。ウェブサイト上には、pdfなどまだ公開されていないようたけれど、普通に1冊欲しい。問い合わせしてみようかしら。

タクシー運転手〜約束は海を越えて〜

 韓国の映画、タクシー運転手を借りてきてみた。韓国の光州事件については、詳しく知らなかったけれど、興味を持った。映画としても面白かった。ソン・ガンホのような韓国を代表する俳優が出演している。そうした豪華キャストで、韓国の民主化運動をテーマにした映画がつくれる韓国は、なかなか底力あると思った。1987もみたい。