「シッコ」鑑賞

友人と映画館でマイケル・ムーアの「シッコ」を鑑賞。内容は事前にある程度予想できるものだったけれど、やっぱり勉強になって面白かった。おちょくることが得意なムーア作品の中では最もおとなしい作品かな?

米国の医療制度だけではなく、フランスやイギリス、キューバなど諸外国の医療制度の紹介もあり、あらためて「政府は医療に対してどのような役割を果たせるか」について考えさせられる。キューバの「社会主義的」医療(とムーアが皮肉っぽく言う)の事例の紹介もキューバの知らない一面が垣間見れて興味深い。*1

この作品は情報量が多いために2時間ずーっと見るのは結構疲れます。終わったあと少し肩が懲りました。見に行く方は気合を入れて見に行くべし。

〈追記〉
9月2日付(今朝)の日本経済新聞では「シッコ」に言及があり。へき地医療に医者が少ないこと、地方と都心部との医療の格差に焦点を当てている。日本の医療システムについて論じながらも最終的には「市場原理と医療をどう両立させるか」で締めくくっている。シッコを見て得られる結論はそれだけだろうか。効率化や民営化を追求した結果の日本の未来の姿が「シッコ」には描かれていないだろうか。人々が安心できる国は何よりも病気になったり仕事ができなくなったり、そのときにお互いを支える制度が存在していること、それは経済成長の程度とは関係なく実現できること、そのことを読み取るべきではないだろうか。

*1:アメリカとキューバの関係って今の日本と北朝鮮の関係に似ている気がする。「脅威」や「危険性」ばかりが強調され報道されるけれども、意外とそうではない部分もあるのではないかな〜(と具体的には思いつきませんが)。