河西宏祐『企業別組合の理論』日本評論社(1989年)を読んでいる

 河西宏祐『企業別組合の理論』日本評論社(1989年)を読んでいる。先行研究のレビューから、歴史分析まで幅広くとても面白い。

 河西先生のお弟子さんがかかれた『労働組合職場組織の交渉力』平原社(2016年)では、私鉄広島支部労働組合期生の具体例が事細かに書かれている。サービス向上と労働強化の規制をどう両立させるのか、その様子を聞き取りや内部資料を用いて、ダイナミックに描いている。

 飯島『労働組合職場組織の交渉力』は大原社会問題研究所雑誌と労働社会学会年報に書評が載せられている。評者のスタンスの違いはあるとはいえ、いずれも同書を読みごたえがある、久しぶりの実態に迫った労働組合論と評価している。具体例に迫る姿は、お師匠さんの影響が大きいのではないかと思う。