仲村和代・藤田さつき『大量廃棄社会』光文社、2019年

 仲村和代・藤田さつき『大量廃棄社会』光文社、2019年。新聞記者の取材にもとづく。アパレル、コンビニ食品の大量廃棄などがテーマで、大量消費の実態に迫る。テーマは広いが具体例が豊富なところがよい。各テーマも短くトピック的にまとまっている。

 生地や裁断のコストをオープンにする。原価を明らかにする。10YCという取り組みが紹介されている。製造原価を消費者に提示するのは米国のエバーレーンと同じ。あるいは、縫製にかかるコストを見える化した学生起業のブランド。1枚3500円の「透明なパンツ」。決して素材が透明なのではないが、名前にインパクトがあり、ネット上でのアクセスが集中した。エシカル消費という理念だけではなく、かわいさも武器にするというのが趣旨とのこと。こうした事例や中古市場のメルカリの成長は、エシカル消費時代のトレンドともいえる。

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書)

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