ETV特集「カノン〜家族のしらべ〜」(2018年7月14日放送)

 Eテレで放送された家族の形。とてもよかった。幼少期に養子縁組で児童施設から引き取られた女性。女性は、血のつながりのない父・母の3人で暮らす。女性は、高校卒業を間際に、帰宅時間が遅くて、両親と口論となる。やがて家出する。1ヶ月たって、家出のときに一緒にいた男性と生活していることがわかる。やがて、彼女の妊娠が発覚する。男性の両親はタイ人。日本で生まれたが、父親はタイへ強制送還された過去を持つ(理由は不明)。
 さて、3人の家族はどうするか。結果として、彼女の彼氏=男性も受け入れ、同じ家で一緒に生活する。母親は毎日娘の彼氏の弁当を作り、毎日最寄の駅まで車で送る。4人で生活することで、娘の生活が安定する。「気持ちが安定している。帰宅も早くなった」。こうした生活の中、赤ちゃんが生まれる。娘は大学に合格。休学をして子育てに専念するという。
 母親の言葉。「こうやって家族の形は変わってくる。形をかえて家族をつくっていく」(大意)。血のつながっていない人間が同居する。実の子どもと同じように、誕生会をして、家庭教師をつけて、けんかもする。その姿を見た彼女のパートナーの男性が、「けんかできてうらやましいと思った」というシーンがある。また「正直受け入れてくれるか心配だった」とも述べる。様々な局面に陥りながらも、愛情を持って受け入れる。娘の彼氏とも一緒に生活する。なかなか受け入れられそうにもない現実に対し、きちんと向き合う。そして、新たな関係性をつくっていく。
 映像を見て、「自分ではこんなことができるのか」少し考えた。愛情にあふれる両親の対応を見て、涙が止まらなかった。

ETV特集「カノン〜家族のしらべ〜」(2018年7月14日放送)
http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2018-07-14/31/15534/2259588/