深層の現地化

 「日本企業の海外生産を支える産業財輸出と深層の現地化」という論文(『 一橋ビジネスレビュー』60(3)、2012年)を、面白く読んだ。生産設備の現地調達をしてこそ、本当の現地化。価格低下でシェアも増えるので、付加価値も増大する。付加価値もふえるから、国内産業の空洞化には、つながらない。その主張の妥当性は、正直よくわからない。けれども、深層の現地化が進めば、シェア拡大するというのは、特別剰余価値をめぐる競争みたいだ。図もそうした感じを抱かせる。その点でとても面白い。

 いつも思うが、ものづくり経営学マルクスの競争論は親和性高い。ただし、ものづくり経営学は、労働問題を扱う視点がない。競争優位の構造を分析するため、労働問題を、むしろ例外的な事象として扱っているようにみえる。

 

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