学びの場所を作る

 学生と教員だけの環境で学びの刺激を受けることには限界がある。ある業界の一流の人、変わった志向を持つスペシャリストの人、それらの人との語りの場所を設ける。それがアカデミックな場所につながっていることを認識できれば、文章を読みたいと思うだろう。このような場所作りが必要。たとえば、自分が金融機関に就職するという直近の狭い話が入り口だとしても、地域中小企業に関心を持ち、そこで経営をする人、仕事をする人と接点を持つ中で、学術的意義を理解していく。それは学問の入り口として正統なルートのひとつだと思う。卒業論文を書く機会は、与えられたテーマに慣れている人にとってはテーマ設定自体に難しさを感じるとはいえ、自由度が高く深みの論点も絞れる。ここからがいちばん伸びる。それだけではなく、卒業した後も、大学や学術界と接点を持っていれば、もっとのびる。そういった場所をつくりたい。