小川洋『消えゆく限界大学』白水社、2017年。筆者は教育ジャーナリスト。大学の関係者ではない。その分、定員割れに至る私立大学の特質を手際よく分析している。短大から四年制大学に移行したものの、四年制大学にふさわしいスタッフが集まらない。何より同族理事長が、排他的人事を行う。教授会も理事会の言いなり。バブル自体に短大から4年生大学に移行した私立大学の多くが、受験者や研究者のニーズに応えられず、苦戦している。こうした事実が基本的数字とともに具体的に紹介されている。
今後の大学にどのような教育上が求められるのか。本書は具体的に明らかにしてはいないものの、地域ブランドを確立するといいうのはメッセージとして読める。地域経済の下請けとならない地域貢献とはなにか、さらなる検討が必要だ。
- 作者: 小川洋
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2016/12/28
- メディア: 単行本
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