NHKスペシャル「それでも、生きようとした 原発事故から5年・福島からの報告」(2017年1月9日放送)

 NHKスペシャル原発被災者問題。福島では5年たったいま、自殺率が急上昇している。識者によれば、津波で家がさらわれていない。家は残っているけれど、生活ができない。そういった方々の孤立感が強まっているという。家がないという「明確な不安」ではなく、「曖昧な不安」が原因の背景にある。30歳代の若い夫婦、震災後、非難解除がでてすぐ実家に戻る。農業を始めるも山から流れる汚染水の処理で作業が難航する。支援者も集まって米を作り始めるも、以前の2/3の価格。米が売れず、副業でミキサー車などの仕事も行う。しかし、NHKで明るく振舞っていた1年後に、夫婦2人で自殺する。ふるさとがあるけれども、戻れない。生活もできない。生業もない。新しい環境にすぐに溶け込めない。心の喪失感は相当なものだ。こうした人たちへのサポート体制の構築が求められる。

NHKスペシャル「それでも、生きようとした 原発事故から5年・福島からの報告」(https://www6.nhk.or.jp/special/detail/index.html?aid=20170109