ドキュメンタリー映画『選挙が生まれる長野と群馬の挑戦』2016年10月。

 ドキュメンタリー映画『選挙が生まれる長野と群馬の挑戦』2016年10月。長野県と群馬県を舞台に野党共闘にいたる過程を丁寧に描く。2016年1月の段階では、野党共闘は進まず。それは全国どこでも同じ。市民会合に各党代表が参加し、統一候補への意見を募る。こんな風景はいままでなかった。群馬県でもかたつむりの会を主軸として、1月にキックオフミーティング、4月に統一候補の堀越さんが決定。その後、市民との対話を重視して選挙に関わっていく。堀越さんのかざらない、生活実感のこもった姿が魅力的だ。家族もたくさん出てくる。最後に堀越さんが7月下旬の東京都知事選挙の様子を見に行く。小池候補の演説を見るのだが、「対立候補の演説を見てみたかった」と。終わった後の感想。「自分のほうがうまく演説できる」。たしかに、テクニックというレベルではなく、聴衆をひきつける話し方をされる方である。

 あらためて映像としてみると、この間の流れが事実上戦後はじめての動きであったということが分かる。同時に、参議院選挙での野党共闘は、政策をめぐっての一致点を市民参加の下で議論した結果生まれたものであるということが分かる。「結婚式のように市民の前で議論する」。市民の目の前で各政党が候補者に対して確認をする。それをみんなが見る。これが結婚式と同じ。このことを言ったのは上智大学の中野晃一氏だったと思うが、この原則こそ再確認されるべき。見るべき価値のある貴重な映像。他の各地のものがあればぜひみたい。

◆製作者の湯本雅典氏のウェブサイト
http://www.7colors.org/yumoto/02/0023.html