学会に参加して(感想)

 明治大学で開催されていた学会に1日だけ参加した。自由論題と統一論題。以下は、統一論題で感じた点。計量的手法の研究に対し、質的調査の研究者が課題や批判を加えるという議論は面白い。計量的手法そのものの内在的批判になっているとは言えないが、その調査手法そのものの設計、政策的示唆など、社会的意義を問うている。手法の異なる研究者が同じテーブルで議論を交わすというのも新鮮。応用経済学や経営学の実証研究では、量的・質的調査、理論、その他様々な学派が同じ場所で議論する。これらは分派し分かれて議論することが多いが、お互いに共通のフィールドがあり、その分野を発展させようという意欲があれば、同じ場所で議論すべきだ。学問が細分化するとそういう場所は意外にない。ただし、新古典派経済学、現代経済学の立場に立つ研究者が、質的調査の多い学会でそれなりのコミットするということは珍しいように思える。ご本人の意図は不明であるが、それは勇気のいることでもある。他方、やはり主流派の学会とは異なる学びもあるのではないかと推測する。真相はいかに。