学び続ける努力

 就職活動を続けている人、内定が決まった人、現在の状況は様々だと思う。けれども、この過程で準備した知識の習得、学ぶ姿勢は今後も継続すべきだ。就職活動を開始する前後から急に『日経新聞』を読み出す人がいる。自分は『日経新聞』は一般紙と違って難しいから、早いうちから読んだほういいと呼びかける。ただ、実際には就職活動の前後で読み出す人が多いようだ(それでも読まない人は一定割合いるが、その人たちにたいする呼びかけはここでは行わない)。テレビ東京系で放送されている『ガイアの夜明け』は日経新聞の映像版のようなものだ。立場の違いはあれど、企業経営がどのような努力をしているのか、地域経済での課題は何があるのかをビジュアルに、具体的に明らかにしている。日経新聞の購読とあわせて、この番組を定期的に見れば、かなりの程度経済に対する理解度が高まるはずだ。問題は、進路が決まった後である。
 進路が決まって、休息も必要だ。ボーっとする時間もあっていい。ただ、日経新聞を読んだり、業界研究をしたりする、この時間は意識的に確保したほうがいい。仕事を始めて忙しくなっても、なおさらである。大学はたしかに将来の進路を決めるひとつ過程である。ただし、そこで身につけた学ぶ姿勢をなくしてしまっては、せっかくの投資も台無しである。臨むべくは、企業社会に批判的な立場や政治経済の問題にも興味、関心を持ちながらも、毎日の生活を続けてほしい。日経新聞的な価値観を理解し、けれども過剰に内面化せず、相対化できる。彼ら・彼女たちが考える世界観を認識しつつ、自分の立ち回りもはっきりさせることができる。これができれば、すでに社会との距離感を掴み始めている。