ガイアの夜明け「リオで勝つ!〜スポーツメーカー水面下の攻防〜」(2016年7月12日放送)

 ガイアの夜明けをみた。スポーツ選手にタイアップするメーカーの特集。アシックスとミズノが出てくる。短距離走の場合、足へのフィット感が何よりも大事。縫い合わせの糸があると、負担感がある。ということで、アシックスは東レと共同して新素材を開発している。縫い合わせの少ない新しい競技の洋の靴を開発する様子が映し出される。一方、ミズノは日本代表のバトミントン選手と新たに契約。アディダス製を使っていた選手に聞き取りし、好みのラケットを開発するが一苦労する。グリップを握った感じのツッパリ感、引っかかる感じを求めるが、なかなかそれに対応するラケットを提供できない。聞き取り、開発、修正を繰り返す。
 両社に共通しているのはトップアスリートの感覚を言葉にし、形にし、微修正を加えていくことである。生産現場とそのあいだをとりもつ社員がいること。アスリート特有の「感覚」を道具に伝えていくことが、とても難しい作業であり、同時に、仕事としての醍醐味でもある。トップアスリート対象と、一般消費者対象とでは手間隙も、位置づけも当然異なる。アスリートとは日常的な情報のやりとりが必要だから、国内生産拠点の必要性が高まる。他方、一般消費者はモデルが決まれば量産化可能。ゆえに、ASEANでの生産に移行する。この点は繊維業界全体の特徴に近い。

 2016年に入ってスポーツ用品業界が大学とタイアップする様子が目立つ。大手私立大学で陸上部、野球部、ラグビー部などをすべて同じスポンサーに統一するという動きもある。大学にとってはブランド発信になり、企業にとっては大口の顧客の獲得になる。米国のアンダーアーマー関東学院と契約を結んだのは象徴的である。
ガイアの夜明け(2016年7月12日放送)(http://www.tv-tokyo.co.jp/gaia/backnumber3/preview_20160712.html
関東学院と「アンダーアーマー」が契約 ラグビー部新ユニホーム披露(http://www.kanaloco.jp/article/167351